兄に感謝

これは僕がまだ高校一年生だった頃の話です。
学校帰りに、自宅から歩いて15分くらい先にある、
割と大き目な本屋さんに寄るのが僕の習慣でした。

いつも通り、家に帰る前にその本屋さんに寄り道した時のこと、
欲しい雑誌が発売されていたので、買って帰ることにしました。

レジまで持っていって、お金を出そうと財布の中を覗いたら、
なんとあると思っていたお金が微妙に足りないじゃありませんか。

焦る脳で思い出すと、そういえば部活が終わった後に異様に喉が渇き、
ペットボトルを2本買ったりして、お金を使ってしまっていたのです。

今なら「すみませんやっぱり買うの止めておきます」と普通に言えるのですが、
まだまだ高校生でかっこ付けだった僕には、その一言がどうしても言えません。

そうこうしている間にも、僕がお金を出すのを待っているレジのお姉さん。
寄りによって、とても可愛らしい人で、ますます僕は恥ずかしくなって俯いてしまいました。

その時に、「よ!」と僕を呼ぶ声が。
振り向くとそこには兄が立っていました。

お互いに反抗期に入っていて、普段は全然口を聞かない仲なのに、どうしてこのタイミングで!?
と驚いていると、ひょいとマンガ本をレジに置いて、
「これ一緒で!」とお会計を済ませてくれました。

あの時ほど、兄に感謝したことはありません。
帰り道は恥ずかしいやら情けないやらで、ろくに口をきけなかったのですが、
すたすたと前を歩く兄の後ろ姿は、いつもよりもカッコ良く見えたものでした。

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